ZINPHONYヤバい -そして和田彩花さんも(高崎的に)ヤバい-
・2018.1.27-28 ZINPHONY vol.9 開催です。
今週末1月27日(土),28日(日)群馬県高崎市で、
個人の製作した小冊子「ZINE」を販売するイベント「ZINPHONY」が開催されます。
私は2013年からこのイベントZINPHONY参加しています。
ZINPHONYをきっかけにZINEを作り始めました。
そんな私は昨年2017年、ZINEに関する新しい挑戦を色々しました。
東京でZINEを売ってみたり、トークイベントをしたり、そしてZINEというものについて調べたり。
その中で、私のZINE作りの原点であるイベント「ZINPHONY」について考えたとき、あれ、おかしい、このイベントなんか、ヤバい!と思い始めました。
今日はその「ZINPHONYヤバい」についてお話しさせてもらいます。
長いですが、ヤバい街のヤバいイベントにちょっと興味を持つような人には読んでもらえる長さだと思います。
どうぞ!
・2013年、ZINPHONYきっかけでZINEを作り始めました。
私は2013年からZINEを作り始めました。
きっかけは当時は住んでいた地元・群馬県高崎市で「ZINPHONY」というイベントが開催されたからです。
「ZINE作りたい!」と思いながら『リトルプレスをつくる』『girls ZINE―女子のためのジン案内』などを本を読んでいましたが、それまでは実際に作るきっかけもなく。
2013年に「ZINPHONY vol.1」の開催を聞いて「作ってみよう!」と思い、ZINPHONYがきっかけでZINE作りを始めました。
まずは作れたことに感動して、手にとってくれる人がいて感動して、もっともっとって内容も質も欲が出て、
2013年以来、2018年の今も私はZINEを作っています。
・2017年、ZINPHONY「ヤバい」と勘づく。
そういう訳で私のZINE作りの原点はZINPHONYです。
ZINPHONYというきっかけがなければ今でもZINEは作っていないかもしれません。
私は2013年からZINPHONYへの出展を目的にZINEを作っていました。
ZINEやリトルプレスをを読むことも好きで、ZINEを取り扱う東京の書店でZINEを見て買うこともありましたが、自分がZINPHONY以外の場所でZINEを販売することは考えていませんでした(私の場合は特に内容的に)。
ですが、2017年に作ったZINEを沢山の人に買ってもらうことが出来ました。
「高崎でこんなに売れるなら東京で販売してみたらどうなんだろう…??」と思い、高崎以外での反応を確かめるためにも東京のZINEのイベントに出展してみることにしました。
東京のZINEイベント「MOUNT ZINE」。
ZINEを作る人なら誰しも知る東京のギャラリーが運営するZINEのイベントです。ZINE製作者はもちろん、面白いZINEを探す人々もMOUNT ZINEに集まります。
MOUNT ZINEは2日間のイベントの後、約半年間の常設販売期間があります。Webサイトからの通信販売もあります。
私は¥12,000(当時)の参加費を支払い、2017年5月からの「MOUNT ZINE 13」に出展しました。
そして、思いました。
ZINPHONYってなんか違う…ZINPHONYってやばいイベントなんじゃないか…!
・ZINEイベントは「お祭り」
「お祭り」の起源って内輪ノリ的なものですよね。「今年も1年みんなお疲れ!」ってお互いがお互いを労いあうイベント。
MOUNT ZINE13のイベント会場を訪れた私はZINPHONYとの「違い」に違和感を感じていました。
確かにみんな楽しそう。でも…なんだろうこのモヤモヤ…
そこでたどり着いたモヤモヤの正体がMOUNT ZINEは「イベント」つまり上記の意味での「お祭り」なんだということです。
ZINE製作者同士がコミュニケーションを図り、お互いのZINEを褒め合い労い合うお祭り。
『日本のZINEについて知っていることすべて /ばるぼら,野中モモ(編著)』の著者の1人・野中モモさんらがオーガナイズするイベント「TOKYO ZINESTER GATHERING」もそのイベント名の通りZINE製作者が集うイベントです。会場ではミュージシャンのライブもあり、ZINE製作者達が集うZINE製作者のためのお祭りです。
その他、日本のZINEイベントの参加要項などを見て見た所、やはり「お祭り」感が強い。
ZINEイベントは「お祭り」これはおかしいことじゃないんです。
「お祭り」じゃないZINPHONYがヤバいんです。
・そもそもZINEは売るとかの目的じゃないもの
「TOKYO ZINESTER GATHERING 2017」の募集要項の「zine?」の項目にこう記載されています。
“このイベントでやりとりされるzineは「個人または有志のグループが(金銭的な収益をあげることを第一の目的とせずに)自主的に制作する出版物」とさせていただきます。” 引用元
利益を出すために作られるのは「本」です。
どんな人でも紙とペンに思いを描き、ホッチキスで閉じ、個人の想いで作られるのが「ZINE」です。
だからZINEは売ってお金にするためのものじゃないんです。
『日本のZINEについて知っていることすべて』の中で野中モモさんが語る、
「作る人が読んで,読む人が作る横並びのコミュニティ感覚」がZINEの文化。
「売る(利益を出す)」ということは、どうしても与えるものと受け取るものの関係にならざるを得ません。
ZINE文化の横並びのコミュニケーションとは違います。
例え横並びでみんながそれぞれのZINEを買ったとしても、日本でZINE作ってる人なんてごくわずか。
お金が入っても儲かる、というレベルの額にはなりません。
そもそも素人が想いだけで作ったもの、作った時点でゴール。
一般の人がお金を出そうと思えるクオリティーのものが沢山集まることは難しい。
だから一般的にZINEイベントは、ZINEが売れなくても参加費のみで運営が成り立つ仕組みでイベントが設計されています。
ZINEというものの性質上、誰でもどんなZINEでも並ぶことができる場所であるために、売上以外でのお金がどうしても必要になるのです。
ZINPHONY「参加費¥500+売上金の25%」
と、いう説明をしてこれ↑です!ZINPHONYの参加費はたったの¥500。
そして売上金からのパーセンテージでの徴収ということは、ZINPHONYの仕組みは「ZINEが売れないとイベントが成立しない仕組み」なのです。
ついでに言うと1万円を超える参加費(MOUNT INE)は集まるZINEの質の安定にも繋がります。それなりの覚悟のあるZINEしか集まりまらないからです。
「ZINEそもそも売れないし、参加費で運営回るの?その参加費でクオリティー保てるの?」
いや、それがね、大丈夫(みたい)なんですよ!
ZINPHONYは地方都市・高崎でなぜか「うっかり」成立しているヤバいイベントなのです。
・「地方都市・高崎」でうっかり成立してる
まず参加費¥500とその仕組みについてZINPHONY主催の荻原さんに聞いてみました。
「荻原さん!この参加費の設定ヤバいですよね!どうやって決めたんですか?!」
「え、なんとなく」
まじかよ!私ここまでで2000字くらい書いてるんですけど、他のイベントとかと比較せず、ZINEとはとかごちゃごちゃ考えず、え、なんとなく!
もうこの時点で「うっかり」成立感がやばいですが、(荻原さんはまともな人です)、ZINPHONYが成立しちゃってる「うっかり」ポイントは大きく3つあります。
・《うっかり1》ちょうどいい「スペース」
何かイベントをやろうとして必ず必要なのが「場所=スペース」です。
金額や規模から考えて最初に候補になるのが公民館などの公共のスペースだと思うのですが、
市や県が貸し出す施設って、「販売に村でも燃やされましたか」って思うくらい館内での販売を禁止しているんです。
物を売るって、利益が出るってそんなにダメか。と。諦めます。
そして公共のスペースで販売が許可されていたとしても今度は「スペース=面積」があり過ぎるのです。
営利目的のイベントとして利用できる場所は大ホールとか大展示場とかになります。
いや、数千人も来ないよ、車数百台も停めないよ、B級グルメの屋台呼ばないよ、みたいな。
ZINPHONY1回目の開催の会場は、「まちごとや」(民間)さんが運営する「MOTOKONYA」という空き家だった店舗兼住宅をリノベーションしたイベントスペースでした。もちろん販売出来ます。作ったものを売ったり、キッチンカウンターで料理を出したり。
ZINPHONY最初開催、畳張りの部屋にZINEが並びました。
たくさんの人が靴を脱いでおばあちゃんちみたいなテーブルに並んだZINEを見ています。面白い光景でした。
現在は会場が「SNARK.3F」になりました。
「SNARK.3F」は建築事務所SNARKさんのおしゃれなコンクリートのビル。
3階がイベントスペースとして貸し出されています。おしゃれでかっこいい場所です。
MOTOKONYAよりもスペースが広くなりました。テーブルの上に並ぶZINEをゆっくり見ることが出来ます。
どちらのスペースも民間が運営しています。出店料は公民館のような安さではないですが、魅力的な場所(古民家、おしゃれなビル)ですし販売も出来る。「今」の感覚にあったスペースが高崎にあるのです。
東京だったらこのスペース借りるのいくらするのかな…ってなると思いますが、高崎ならそんなこともありません。
「うっかり」素敵なイベントスペースで開催されている、ヤバいZINPHONY。
・《うっかり2》情報に飢えた人々との出会い
ここから2点はオブラートに包みお伝えいたします。
高崎は大地に水を注ぐ優れたジョウロがないのです。特定の水道から流れた(なんか塩素の匂いきつい)水を受け取るしかないのです。人々は常に喉を枯らし、考えることをやめた人たちは水道から流れてくる水だけを大人しく待っています。水は水道から流れてくるものだとすっかり思い込んでいる人もいます。
「水を、自分の飲みたい天然の水を…!!」
そんな大地の上でもがき、旅に出る人々、そうしてさまよった人々が辿り着く場所「ZINPHONY」。
ヤバさのみ伝わる。
・《うっかり3》発信に長けた「トマト」
トマトは乾いた大地ほど甘くなると言います。
地方都市・高崎には異常に甘くなったトマトがあるのです。
そんな甘くなり過ぎたトマトたちが「500円なら~」とZINEを作ります。
参加費が高ければトマト達も集まらないかもしれないのですが、この500円のハードルの低さが、
そもそも情報感度が高く、アウトプットする能力に優れているトマト達とZINEを結びつけ、
枯れた大地で水を求める人たちの大地に水を降り注ぐのです。
民間のイベントスペースがある、
情報に飢えZINEを買いたい人もいる、野生のプロ的に面白いZINEを作る人もいる(それを後押しする低い参加費)、
で、このイベントをやろうと思った人がいる。
高崎という場所だから「うっかり」成立しちゃってるヤバいイベントなのです。
(よくネットで「グンマー」「秘境」と言われてますが、こういうこと↑も起こるし、真逆のベクトルを目指す政治家もたくさんいるしで、どこか掘ればなんか想定外なものが出てくるという意味で群馬は本当に魑魅魍魎の世界だな、と思います。グンマーまじ秘境。)
・ZINPHONYは作る人も買う人も楽しい「お店」
最後に、私が最もZINPHONYが好きだなあ、良いイベントだなあと思うポイントをお伝えします。
ZINPHONYが参加費として徴収する「売上金の25%」は、ZINEイベントとしては珍しいのですが、これ、「お店」だと委託販売のよくある条件です。
2013年にZINPHPONYを始めた主催者・荻原さんは2016年の年末、高崎に「REBEL BOOKS」という本屋さんをオープンしました。
荻原さんは本屋さんになり、ZINPHONYは本屋さんがやってるイベントになりました。
いえ、もはやZINPHONYは「本屋さん」です。
ZINPHONYではZINEは本みたいに綺麗に並びます。
自分が作ったZINEが本みたいに綺麗に売り場に並ぶんです。
ZINEを作る人は本も好きだと思います。自分の作ったZINEが本屋さんみたいに並ぶ、
それってとっても嬉しいものです。
(他のZINEイベントの光景を見るとそれが当たり前でないことがわかります)
そして本屋さんみたいにZINEが並ぶことはZINEを買う人にとっても良いことです。
本屋さんに行くような感覚で、ここにしかないインディペンデントなZINEをゆっくりとゆとりあるスペースで、時にはお酒やコーヒーを飲みながら見ることが出来ます。
ZINPHONYは「お店」です。お祭りのような内輪のノリがありません。
お店で考えたらそれって普通ですね。
お店に行くみたいにZINEが見れる、これって多分すごい貴重。
交流をしたい人は夜の時間はお酒も売っているので周りの人に話しかけやすいかもしれません。交流したければ出来るし、じっくり見たい人は見れる、ちょうど良い距離感です。
・ZINPHONYヤバい!
ZINPHONYは様々なうっかりと偶然と奇跡が集まったヤバいイベントです。
高崎駅からZINPHONY会場まで来てもらえたら、よりこのイベントの特異点感も感じてもらえると思います。
時々、地方の面白いイベントに「東京でもやって欲しい!」的なコメントを見ることがありますが、ここでしか!ここだから!できてるんだよ!!東京から、来て!!!
地方都市・高崎に出現しちゃってる特異点「ZINPHONY」。
ZINPHONYヤバい!
ZINPHONY vol.9
会期:2018年1月27日(土),28日(日)
会場:群馬県高崎市田町53-2 SNARK 3F
→Webサイト
私もZINPHONY vol.9に参加します。会場でぜひ手に取って見ていただけたら嬉しいです。
ヤバいイベントのヤバいZINE。
<おまけ>
今高崎周辺の面白いコトといえば!
女優・蒼井優さんもどハマりしているアイドルグループ「アンジュルム」のリーダー・和田彩花さん。
和田彩花さんは高崎の出身、
スタッフとメンバーを引き連れわざわざ和田橋(!)を案内し、
2017年始のブログ画像は「高崎だるま市」(※2018年はインフルエンザ)、
武道館公演の際の和田さんのお母さんからの差し入れは微笑庵の「ちごもち」というガチの高崎の人・和田さん。
そんな和田さんが高崎clubFLEEZでのライブの際MCで「高崎頑張ってる」発言をした際に起きた会場のファンからの失笑への反応がこちら。
こんなに高崎のために怒ってくれる(魅力的な)人いませんよ!
高崎の偉い人は音楽のまち的な予算でアンジュルムの高崎音楽センター公演お願いします!!
↓まさかの和田橋!
「結構有名なんだよ もうみんな和田橋って言えばここってすぐわかる」by.あやちょ